三菱地所が運営する海外成長企業・国内先端ベンチャー企業向けビジネス支援施設、Global Business Hub Tokyo(以下、GBHT)。
Bizsmithは、2023年1月から約9ヶ月間にわたり同施設のWebサイト改善の支援を行っていました。
今回は、三菱地所株式会社にて施設運営を担当している露﨑惇志さまに、取り組み内容についてお話を伺いました。
デジタルマーケティングの検証を目的に
ーーはじめに、GBHTのWebサイト改善プロジェクトが始まった経緯について教えていただけますでしょうか。
露﨑:弊社が運営するビジネス支援施設では、事業拡大や人員拡大などの理由で、利用企業様の入れ替わりや施設からのご卒業が短期間で多く発生しています。そんななかで、どのようにして新たなに入居していただく企業さまを集客していくかというのは課題感として持っていました。
解決策のひとつとして、デジタルマーケティングという手法がありますが、施設の特性上、マスターゲットに対して募集をしているものではなく、施設ごとのテーマやコンセプトに沿った企業さまにご入居いただきたいという思いがあるので、一般的なデジタルマーケティングはフィットしないだろうと考えていたんです。
とはいえ、そうした仮説は実際の検証を経てたどり着いた結論ではないため、一度GBHTの施設を対象として、試してみようということになったのがプロジェクトのはじまりです。
ーー明確な課題の解消というよりも、試験的な意味合いが大きかったんですね。
露﨑:そうですね。部署としても会社としても、デジタルマーケティング推進への熱量は年々徐々に高まっていたという背景もありました。具体的には、デジタル広告とサービスサイト改善によって、どのような成果を出せるのかというのを試してみたかったんですよね。
試行錯誤の半年間を経て
ーープロジェクトがどのような流れで進行していったのか、時系列で教えていただけますか。
露﨑:まずはサイト全体を分析して、現状把握するところからプロジェクトがスタートしました。どのようにサイトが使われていて、どのあたりにボトルネックがあり、そのような仮説を立てることができるか、というのを数値データをもとに話し合いました。
そのなかで、多くのユーザーがサイトのトップページから流入し、他ページを回遊せずに直接エントリーフォームに遷移していることがわかり、トップページのUI/UX、特にファーストビューの改善を最優先事項として進めることになったんです。
具体的には、コンテンツの追加や既存コンテンツを改良といったABテストを実施し、効果が最も高いパターンに変更するというのを続けていたんですが、最終的なリード獲得数などの数値成果としてはあまり良い結果に結びつかない期間が続いていました。
ーー成果が出ていなかった期間、Bizsmithの支援に対しての不安などはありませんでしたか?
露﨑:それはなかったですね。先程もお伝えした通り、そもそも今回のプロジェクトは検証的な意味合いが強く、もしかすると全然うまくいかないかもしれないという気持ちもありましたので。それに、施策検証についても、どのような仮説を持ってどのような施策を実施するのかも丁寧に説明していただいていましたし、成果に繋がらなかった場合でもその原因を示してくれていました。
もちろん成果を出したいという思いはありますが、しっかりと弊社に寄り添っていただき、粘り強く支援してくれる姿勢には安心感がありましたね。
ーーありがとうございます。
露﨑:そうした試行錯誤を経て、成果が出だしたのはプロジェクト開始から6ヶ月が経過した時期だったと思います。ファーストビューのコンテンツごとの変更ではなく、コンテンツの内容を含めてトップページ全体を変更したところ、急激に数値成果が出てきたんです。
プロジェクト開始時から常に施策のABテストを実施し、勝ちパターンの要素を残しながら改善を続けていった結果だと思っています。
ーーその点はBizsmithとしても意識していました。ただ闇雲に「変更」を繰り返すのではなく少しずつでも「改善」させていくために、ABテストを繰り返してマーケティング的に強いWebサイトを作ろうと考えていました。
露﨑:そのあと問い合わせフォームの改善を行い、最終的にプロジェクト開始時と比較するとCVRが8倍以上に。これ以上の伸び代は少ないだろうとご助言いただき、トップページと問い合わせフォームの勝ちパターンをベースにサイトリニューアルプロジェクトに移行することになりました。
「やってみないとわからない」ことを正直に
ーープロジェクトを通して、Bizsmithに対してどのような印象を受けましたか?
露﨑:少し抽象的ですが、「親身になってくれる」という点はプロジェクトを通して強く感じましたね。
プロジェクト開始時の情報のキャッチアップにしても、積極的に情報収集をしてくれたり網羅的なデータ分析をしてくれたりというのはもちろんですが、社内事情なども加味した上でプロジェクトの方針についてご提案いただけました。
また定例のMTGなどで弊社側の担当がわからない部分があった際にも、その場で、私たちが納得できる回答をしてくれていました。ご提案いただくときにも、「事実」と「仮説で」と「やってみなければわからないこと」を明確に、正直に話してくれていたことも嬉しかったです。
ーーありがとうございます。プロジェクトの満足度はいかがですか?
露﨑:もちろん満足しています。最終的には数値的な成果が出たというのも大きいですが、やはり一番の目的は「デジタルマーケティングの検証」だったので、そこが達成できたのは良かったですね。
どのような施策を実施すればどのような集客を獲得できるのかとか、広告にかける適切な費用感とか、会社として持っていなかったノウハウを得ることができたと思っています。施設によってテーマやターゲットも違ってくるので一概には言えませんが、部分的には横展開できることもあるので、今回のプロジェクト経験を生かしていきたいと思っています。