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2024.09.10

デジタルマーケティングを行うための、課題明確化の手順

デジタルマーケティング(以下、マーケティング)活動には、実に様々なものがあります。広告施策やメールマガジン、サービス内でのポップアップ施策。広義では、サイトデザインの改修などもマーケティング活動のひとつと言えるでしょう。

では企業におけるマーケティング活動を推し進める上で、どのような方法で実施する施策を選定すべきなのでしょうか――。その判断をするためには、自社にとって「重要な課題を解決する施策が何か」を明確にする必要があります。

本稿では、実施すべきマーケティング施策を明確にするための手順を説明します。

※本テーマについては動画でも詳しく解説しています。

マーケティング活動を行う目的

マーケティング活動を行う目的、それは事業を成長させる上での課題を解決することです。事業成長のためには、現状の課題を明確にして、課題解決の優先順位を決めて、それぞれ解決していく必要があります。その手段のひとつが「マーケティング活動」と言えるでしょう。

つまり最適なマーケティング活動を行うためには、「数ある施策の中からどれを選ぶべきか」という考え方ではなく、事業課題から落とし込んだ施策選定が必要になるということです。

それでは、ここからは具体的な「課題明確化」の手順を説明します。課題を明確化するためのステップは大きく次の3つです。

  1. 事業構造の整理
  2. 数値データの把握 / 課題の明確化
  3. 課題解決の優先順位付け

事業構造の整理

事業構造の整理を行うにあたっては、KPIツリーの活用が有効です。「KPIツリー」とは、最終目標であるKGI(Key Goal Indicator:経営目標達成指標)を頂点として、それを達成するために必要なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を樹形図で可視化したもの。

一例として、ECサイトにおけるKPIツリーを見ながら説明していきます。

ECサイト運営におけるKGIは「売上」です。では「売上」を構成する要素として何があるかというと、「購入者数」と「平均購入単価」があります。また、「購入者数」は「新規購入者数」と「既存購入者数」に分解できます。このように、KGIを構成する要素を分解したものがKPIツリーです。

数値データの把握 / 課題の明確化

KPIツリーの右側を見ると、「新規ユーザー数」「新規購入率」「既存ユーザー数」「既存購入率」といったKPIが並んでいます。

「数値データの把握」というのは、これらの情報を数値データで把握する、ということです。現状の新規ユーザー数はどれくらい存在するのか、既存ユーザーの購入率はどれくらいなのか。そういった具体的な数値データを把握することで、現状の「課題」がどこにあるのかが見えてきます。

自社の事業でのウィークポイントはどこにあるのか、何がボトルネックになっているのか。そうした自社にとっての「課題」を明確化する必要があるのです。

課題解決の優先順位付け

事業成長の課題は、多くの場合ひとつではありません。そこで重要となるのが、解決する課題に優先順位を付けることです。

優先順位を決める際には、「解決したときに得られる効果」と「課題解決の実現可能性」を考慮しておくと良いでしょう。ここでも、課題解決の目的は「KGIの達成」であることを忘れないようにしてください。

まとめ

課題を明確化し、優先順位を決めて、マーケティング施策を実施する。このフローをきちんと取ることによって、実施すべきマーケティング施策が明確になるというメリットのほかに、マーケティング活動のPDCAを回しやすくなるというメリットも享受することができます。

実施したマーケティング施策は、どの課題、どのKPIのための施策だったのか。それが明確になっていれば、効果検証の際に取得すべき数値データも明確になり、「良い施策だったのかどうか」が判断しやすくなります。

より良いマーケティング活動のサイクルを生み出すためにも、「課題の明確化」を怠らずにきちんと整理するようにしましょう。

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