Case

2024.09.10

現場で培った“生きた経験”の共有を。三菱地所DX推進部への「GA4研修」

創業以来、オフィスビル・商業施設・物流施設・マンション・ホテルの開発・運営等を通じて、日本、そして世界の「まちづくり」を推進してきた三菱地所。

この度Bizsmithでは、同社においてグループ全体のデジタルマーケティング支援を行う「DX推進部」に対して、「GA4研修サービス」を提供させていただきました。

今回は、DX推進部協業・変革支援ユニットのマネージャーを務める岩谷隆至さまに、取り組み内容についてお話を伺いました。

発注の決め手は、スピード・技術力・柔軟性

三菱地所株式会社 DX推進部 協業・変革支援ユニット マネージャー 岩谷隆至さま

――まずは、今回「GA4研修サービス」を受講いただいた部署について伺えますでしょうか。

岩谷:今回研修をお願いしたのは「DX推進部」という部署です。自社プロダクトの運営を行ったり、グループ会社の事業支援をしたりしている、DXの中でもいわゆる「攻めの部隊」になります。

現在本部署では、「ロイヤルパークホテルズ」の経営・運営を担う三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社というグループ会社の支援に力を入れており、今回はその担当をしている5️人を対象とした研修をお願いしました。各担当ホテルに対して、現状分析から施策立案・推進までを担うメンバーです。

――まさにGA4の知見が不可欠な部署ですね。今回、外部研修サービスを活用するにあたって弊社にご相談いただいた経緯について伺えますでしょうか。

岩谷:該当メンバーのスキルアップにあたって重要視していたのは、スピード感と技術力の2点です。

先ほどお話しした通り、彼らはすでにDX推進部のメンバーとして働いているので、短期間で基本的な分析スキルを会得してもらい、すぐにでも活用してもらいたいと考えていました。

Bizsmithさんとはこれまでにもお仕事をご一緒したことがあり、技術力にも信頼を置いていましたし、ストレスなくスピーディなコミュニケーションが取れるというのも知っていましたから。

また、今回研修内容については私の中でも「これだ!」というものが固まっていない状態だったのですが、社内の事情やメンバーのレベル感などをお話ししたところ、すぐに打ち合わせの場をもうけていただいて、弊社向けにカスタマイズした研修内容についてご提案いただけたというのも嬉しいポイントでした。

――もしよろしければ、具体的な相談内容についても伺えますでしょうか。

岩谷:まずは受講メンバーのレベル感についてです。弊社では新卒入社の場合、ジョブローテーションで複数の事業部を異動する制度があるため、DX推進部のなかでもスキルに差がありました。入社当初からDX推進部に所属していてすでにGA4を使っている社員もいれば、今年の4月に着任したばかりで専門用語すら知らないという社員もいたんです。

そうしたスキルレベルの違うメンバーに対して、基礎的な知識から応用的な技術まで包括的に講義してほしいという内容の相談をしましたね。

ほかにも、「ロイヤルパークホテルズ」のリアルなデータを題材にしてほしい等の要望にも柔軟に対応いただきました。

――弊社からの提案の結果、最終的にご発注いただくことになった決め手はありましたか??

岩谷:会社としての稟議を通す上で、講師の方のプロフィールは重要でした。

今回、講師を担当してくださった方は、長年第一線で分析業務に関わっていた方で、マーケティング領域の書籍も書かれている方だったので、正直安心材料にはなりましたね。

生きた経験の共有が何よりの学びになる

――先日、全7回の研修が終了しましたが、岩谷さんの感想を伺ってもいいでしょうか。

岩谷:まず、研修の内容については、重要な部分が網羅されていて満足しています。

今回の研修を通して受講メンバーには、「基本的なGA4の操作」はもちろん「探索レポートを活用した詳細分析」までできるようになってほしいと思っていました。後者については、ただデータの出し方を学ぶというだけではなく、どのようなデータがあればどのような考察につながるのかという、上流部分から理解してほしいと考えていたんです。

今回第7回の研修で、各メンバーが担当するホテルの実データを活用した分析と改善施策についての最終課題がありましたが、発表内容を見て、そのあたりはクリアされているなと感じました。

岩谷隆至さま(左)。Bizsmith代表 森 亮太(右)

――今回受講していただいた方々の素養なのか、私たちも最終課題の内容は非常に高いレベルだと感じました。

岩谷:そうですね。いくつかの制約がある中で、サイト内でのユーザーの行動をよく分析できていたと思います。少なくともGA4に対する苦手意識はなくなったんじゃないでしょうか。

一方で、まだまだ「GA4のことなら何でもお任せください」というレベルではありません。導入方法だったり、タグを埋め込んだり、Looker Studioとつなげたり、そういった裏側の知識なども含めて、今後網羅的に学んでいってほしいと思っています。

今回は研修という環境の中でアウトプットを出しましたが、次はもう現場なので、また違う温度感、緊張感でアウトプットを出さないといけません。そこで彼らがどういう行動をして、どう論理的に説明をして、各ホテルのマーケット担当とどう折り合いをつけて改善施策を実施していくのかというところは楽しみだなと思っています。

――講師については、いかがでしたか?

岩谷:講師を担当していただいた方の著書は拝読したことがあったので、なんとなくの人物像は理解していたのですが、やはり現場での経験が豊富で、それを研修内容として落とし込んでいただいているなと感じました。

今回オンラインとオフラインを織り交ぜて講義を実施していただいたのですが、やはりオンラインだと議論が活発にならないなというのは感じました。横で聞いていて、きっと講師の方も、もっと込み入った話をしたいんだろうなと感じていました。

実際に経験された他社の事例など、より具体的なデータ分析の話をもっとたくさん聞けるとうれしかったなと。明日にでも使えるような、より実践的なインプットをすることで、単なる「知識」ではないスキルの向上につながると思うので。

――最後に、改めて外部講師から研修を受けることのメリットについて、岩谷さんのご意見を伺えますでしょうか。

岩谷:社内リソースの問題を解決できること、そして生きた経験を共有してもらえることの2点ですね。特に後者は重要なポイントだと思っています。

事業会社のDXにおいて、外部ベンダーの言いなりにならないというのは重要なことです。社内担当者がわからないから外部ベンダーを活用するという考え方では、例えおかしなアウトプットがでてきてしまっても指摘することができませんから。それを解決するためには、やはり社内メンバーのスキルアップが不可欠だと思うんです。

私自身GA4の知識はありますが、それを教えるだけでは不十分で、現場の声や生きた経験を共有してもらうことで、本当に使えるスキルを身につけることができると考えています。

そういう意味では今回、講師の方についても、これまでに経験されてきた様々なプロジェクトの内容を踏まえて、その知見を分け与えていただいたと感じています。生きた経験というのは何ものにも代え難いですから。

もっと見る