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2024.09.10

マーケティングツールを適切に使いこなすために整理すべき項目

企業におけるマーケティング活動を効率的に、効果的に行うための「マーケティングツール」。今では、事業会社をはじめとして多くの企業で導入が進んでいます。

一方で、マーケティングツールを適切に使いこなせている企業はどれくらいあるのでしょうか。導入したものの、成果に繋がらずに苦戦している企業も少なくないはずです。

本稿では、マーケティングツールの役割について整理し、ツール活用のために重要な考え方を説明します。

「マーケティングツール」とは何か

まず、マーケティングツールとは何なのでしょうか。

言葉としては様々な意味で使われており、一般的な定義はありませんが、本稿においては「企業におけるデジタルマーケティング活動にあたって利用されるツール」として説明します。

具体的には、MAツール(マーケティング・オートメーション・ツール)やマーケティング領域におけるSaaSが該当します。

マーケティングツールの役割

しかし、マーケティングツールはあくまで「ツール(道具)」。その役割をしっかりと理解し、使いこなすことができなければ無用の長物です。

では改めて、マーケティングツールの役割について考えてみましょう。

現在、マーケティングツールには様々な種類があります。マーケティング活動における特定領域に特化したツールや、業界特化のツールなど、海外サービスも含めてあらゆるツールが存在していますが、「役割」に着目すると以下2つに分類されます。

  1. 必要なデータの収集・可視化
  2. 煩雑な業務の効率化

必要なデータの収集・可視化

マーケティング活動を行うにあたって、データの重要性は言うまでもありません。サービスの現状分析を行うためにも、新規のマーケティング施策を企画するためにも、実施した施策の効果検証をするためにも、数値的なデータが必要となります。あらゆるマーケティング活動の要となるのが、データの収集・可視化なのです。

具体的なツールを挙げると、データ収集に強みを持つ「Google Analytics」や「Adobe Analytics」などのアクセスログ解析系ツール。データの集約に強みを持つ「BigQuery」や「Treasure Data」などのCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)系ツール。データの可視化に強みを持つ「Looker Studio」や「Tableau」などのBIツールなどがあります。

煩雑な業務の効率化

マーケティングツールのもうひとつの役割は、業務の効率化です。

例えば、「特定のユーザー群に対してメールを配信したい」というマーケティングアクションが発生したとします。それを実現するためには、SQL等を用いて対象となるユーザーのリストをデータベースから抽出し、宛先にアドレスを入力し1通1通メールを配信していく必要があります。

このような工程を踏むことで、マーケティングツールを活用せずとも施策の実施は可能です。しかし、多くの企業にとって、こうした業務を施策ごとに実施するだけの余裕はないのが実情でしょう。

マーケティングツールを活用することで、こうした煩雑な業務を効率化し、より重要なマーケティングプランの検討や施策の企画などに担当者のリソースを使うことができるようになるのです。(ほかにも、ツールによっては繰り返しの配信設定やユーザー行動にあわせた施策の配信、施策結果のデータ可視化などもできるようになります)

マーケティングツールを使いこなすために必要なこと

マーケティングツールの役割、それは「データの収集・可視化」と「業務の効率化」だと説明しました。

これはつまり、「どのようなデータが必要なのか」「どのようなマーケティング施策を実施すべきなのか」についてはツール頼りではなく、担当者が考えなければいけないということ。つまり、ツール(道具)を使って何をしたいのか、が重要ということです。

より具体的に細分化すると、次の5つの項目について明確化する必要があります。

  1. マーケティング活動における目標は何か
  2. 目標達成のために必要なアクションは何か
  3. アクション実施のための障壁は何か(ここではじめてツールの必要性がでてくる)
  4. 障壁を排除するために必要なツールは何か
  5. ツールを運用するための体制・スキルは何か

まずは、経営戦略、事業戦略からマーケティング戦略に落とし込み、定量的な目標数値を決める必要があります。その上で、目標達成のために何をすべきかを決定し、そのアクションを実行するための障壁を明らかにします。ここではじめてマーケティンツールの必要性が出てくるのです。

1から3の項目が明らかになれば、自社にとって最適なツールも明らかになります。逆に、この1から3が不明瞭なままだと、「とにかく機能がたくさんあるツールを導入しよう」「コスト比較でツールを選定しよう」と、本質的ではないツール選定に陥ってしまうのです。

また、最後の「ツール運用のための体制・スキル」についても非常に重要です。どれだけ自社に合った素晴らしいツールを導入しても、それを運用できる体制を構築できていなければ、そのツール(道具)を使いこなすことはできません。必要な人材とリソースは、ツール導入前に確認しておくのが良いでしょう。

これら5つの項目を明確化することで、自社に合った最適なツールを導入し、事業成長につながる運用を行うことができるようになるのです。

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